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名古屋家庭裁判所 平成9年(少イ)12号 判決

主文

被告人を懲役一年二月に処する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、A(昭和五五年一月二一日生)が満一八歳に満たない児童であることを知りながら、かねてから不特定の遊客を勧誘し売春して金員を入手するように強く求めていたものであるが、平成九年五月六日午後五時ころ、名古屋市中区金山一丁目一四番九号所在の長谷川ビル東側公衆電話ボックス前路上において、いわゆるテレクラを通じて連絡しあった不特定の遊客甲が同女に売春の申し込みをするのを認めるや、同女に対し、右甲を相手に売春することを示唆し、同日午後五時三〇分ころ、同区金山二丁目一五番一〇号所在のホテル「エンペラー」二〇五号室において、同女をして右甲を相手に手淫などの性交類似行為をさせ、もって、児童に淫行させたものである。

(証拠の標目)

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の司法警察員に対する供述調書九通(検察官請求の証拠等関係カード乙記載の番号2ないし10のもの)及び検察官に対する供述調書五通(同証拠等関係カード記載の番号11ないし15のもの、ただし、番号11ないし14のものは謄本)

一  名古屋市中村区長作成の身上調査照会回答書(検察官請求の証拠等関係カード甲記載の番号6のもの)

一  Aの司法警察員に対する供述調書二通(検察官請求の証拠等関係カード甲記載の番号1及び5のもの、ただし、番号1のものは謄本)及び検察官に対する供述調書三通(同証拠等関係カード記載の番号2ないし4のもの、ただし、番号2及び3のものは謄本)

一  甲の司法警察員に対する供述調書二通(検察官請求の証拠等関係カード甲記載の番号8及び9のもの)

一  千代谷一仁の検察官に対する供述調書謄本一通(検察官請求の証拠等関係カード甲記載の番号13のもの)

(法令の適用)

被告人の判示所為は、児童福祉法三四条一項六号、六〇条一項に該当するが、所定刑中懲役刑を選択し、その刑期の範囲内で被告人を懲役一年二月に処し、訴訟費用は、刑事訴訟法一八一条一項但書により被告人に負担させないこととする。

よって、主文のとおり判決する。

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